「カノニコ」は、正式には「Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)」と呼ばれる、イタリアの高級ファブリックメーカーです。最高級のウールを使用して織られるその生地は、「アルマーニ」や「バーバリー」など、誰もが知るラグジュアリーブランドのスーツやジャケットなどに使われています。やわらかさ、軽さ、そしてあざやかな発色という特徴を持つカノニコの生地は、原料となるウールをオーストラリアから輸入し、紡績から生地として仕上げるまでのプロセスを本国イタリアにて行っています。
創業350年を超える老舗の生地メーカー
カノニコは1663年創業という、とても長い歴史を持つ生地メーカーです。すでに創業から350年以上の年月が流れています。その後、19世紀後半から20世紀にかけては、機械式の織機をいち早く取り入れ、この頃にはすでに紡績から生地としての仕上げのプロセスをすべて自社で行う体制を整えていました。第2次世界大戦後、カノニコはそれまでのマーケティング戦略から、海外のマーケットを中心とする戦略に変更しました。現在は、全売り上げの7割以上を海外での売り上げが占めています。
カノニコは「ゼニア」と並びイタリアの最高級生地メーカーとして知られていますが、非常に生地のバリエーションが豊富で、比較的手に入れやすい価格のエントリークラスから最高級品まで、幅広いラインアップを持つことでも知られています。日本では、ネット専門のテイラーでもオーダー可能です。
カノニコの歴史・オートメーション化から一時は解散も
カノニコは、産業革命の波がイタリアにも押し寄せてきたことを機に、機械式の織機を導入し、ビジネスを軌道に乗せていきます。20世紀に入ると、電気が取り入れられ、オートメーションによる生地生産体制が整います。20世紀初頭のイタリアにおいて、電気はまだまだ貴重な資源でしたが、この電力が、カノニコのビジネスを大きく変えたことは言うまでもありません。20世紀の前半には、ヨーロッパ各国、アメリカ、イギリスの支配下にあったインドや、アジアの遠い果て中国にもカノニコは進出していました。
しかし、この時期は、長い戦争の時期でもありました。第2次世界大戦が始まると、ビジネスは制限されるようになります。材料や電力の調達も難しくなり、一時はカノニコのビジネスも解散を余儀なくされます。
しかし、戦後の経済復興とともに、カノニコも復活を遂げます。1970年代に入ると株式会社として生まれ変わり、繊維製品の輸出も順調に増えていくこととなりました。
現在もカノニコは、創業家の子孫が代々、ビジネスを継承しています。高いクオリティを持つカノニコの生地は、今後もカノニコを愛する人々により、発展し続けていくことでしょう。
有名ブランドに愛されるカノニコ
カノニコの生地は、スーツに仕立てることで、その魅力がもっとも引き出されるといわれています。その証拠に、アルマーニやバーバリーのほかにも、「ヒューゴボス」や「ラルフローレン」などの高級ブランドがスーツに使用しています。ただ、これらのような高級ブランドや、政界やビジネス界で活躍する重要人物に愛されているカノニコの生地は、普通のテイラーなどでも使われています。日本の比較的手に入れやすいブランドのスーツにもカノニコは使われていますし、ネットですべてが完結する「アステッドコーキン」のようなネット専業のテイラーでもオーダー可能です。
人気の国内ブランドにも使われているカノニコの生地
少し触れたように、カノニコの生地は、日本発のブランドのスーツにも使われています。有名どころをあげると、「TAKEO KIKUCHI」「ユナイテッドアローズ」「BEAMS」などです。これらのブランドのコレクションにも、カノニコの生地が一部使用されています。
カノニコの生地の製造工程
カノニコの生地は、発色が美しいことでよく知られています。ここからは、350年を超える歴史の中で確立された生地の製造工程についてご説明しましょう。
- 洗浄
オーストラリア産の最高級ウールは、イタリアに輸入されたあと、まず「洗浄」の工程をとおります。洗浄はとても大切なステップであり、細心の注意を払って行わなければなりません。この工程で重要なのが水です。豊富な水で羊毛を洗浄し、不純物をきれいに取り除き、次の工程に備えます。
- コーミング
コーミングは、洗浄した羊毛の繊維を、コームを使って平行に並べる作業のことです。洗浄された羊毛は、まず温められ、テープのような状態にしてからコーミングします。作業が終わった羊毛は「トップ」と呼ばれます。この作業は、最終的に製品化されたときの耐久性に影響するため、とても大切です。
- 紡績
コーミングを終えてできあがったトップは、理想の直径になるまで、またコーミングの作業が繰り返されます。その後、スチームされ、複数の糸を組んで撚りをかけていきます。この工程が終わると、撚り糸の完成です。
- 染色
紡績により撚られた糸は染色されます。染色にはさまざまな方法があるのですが、この段階で染色するのが「糸染め」などと呼ばれる方法です。染め方により、完成時の微妙な味わいが異なるため、この染色作業はとても繊細な管理の下で行われます。この段階では染色せずに、生地として仕上げてから染色する方法もあります。
- 経糸成形
生地は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)をからみ合わせて作ります。この経糸成形は、織りの作業に入る前の段階です。経糸を慎重に、正しい順番に巻き取り、次のステップにて誤った順で織られることを防ぎます。このステップは、センサーによる監視の下で行われています。
- 織り
前のステップで作られた経糸の間に、緯糸を織り込んでいく作業です。事前にインプットされたデザインどおりに、織機は正確に、そしてスピーディに作業を進めていきます。織り上がったら、経験豊富なスタッフが、その状態をチェックします。
- 仕上げ
スタッフのチェックにより欠陥が見つかった場合は、手作業にて生地を修正します。その後、生地により起毛処理などを行い、重さや質感を加えます。そのほかにもさまざまな仕上げがありますが、生地作りのベーシックはだいたいこんなところです。生地が持つキャラクターは、この仕上げの段階で与えられます。
カノニコをおすすめする理由
このようにカノニコの生地は、ラグジュアリーブランドだけではなく、比較的手の届きやすい日本のブランドや、テイラーなどでも手に入れられます。それもカノニコをおすすめする理由のひとつですが、ほかにも理由があります。
今も触れたように、カノニコの生地は、さまざまな場所で手に入れられます。ラグジュアリーブランドのスーツには手が届かなくても、国内ブランドが自社のコレクションにカノニコの生地を採用しています。インターネット上のテイラー・アステッドコーキンでももちろんカノニコ生地のスーツをオーダーすることが可能です。このようにカノニコの生地は、身近なショップやテイラーでも使われているので「とてもオーダーしやすい」のです。これがまずカノニコをおすすめする理由です。
つづいてのカノニコをおすすめする理由は「クオリティ」です。カノニコの生地は、最高級のオーストラリア産ウールをイタリアに輸入して、生地として仕上げています。素材の選別から紡績、仕上げの工程は、すべて自社で行っているので、生地のクオリティがハイレベルで安定しています。しかも、これらの工程は、多くの部分にコンピュータが導入されています。そのため、コストを抑えることが可能で、それは価格にも反映されています。つまりカノニコの生地は、コストパフォーマンスが高いのです。
素材やデザインの豊富さも、カノニコの生地をおすすめする理由です。カノニコは、自社で一貫して行う製造工程だけではなく、商品の企画力も優れています。トレンドに敏感で、「どんな生地がこれから求められるのか」ということを常に先取りし、製品に落とし込んでいます。オーソドックスなデザインもあれば、一見、奇抜とも思えるような、カラフルな生地も送り出す…このようなオリジナリティやクリエイティビティが、カノニコのビジネスを支えています。選択肢が豊富であるからこそ、誰もがお気に入りの生地を見つけてスーツを仕立てることができるのです。
カノニコの魅力
それでは、カノニコをおすすめする理由をご紹介したところで、カノニコの魅力についてご紹介していきたいと思います。一部、おすすめする理由ともかぶりますが、何はともあれ、カノニコは魅力タップリの生地です。特に初めてカノニコの生地でスーツを作ろうとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
コストパフォーマンス
おすすめする理由でもご紹介しましたが、カノニコの生地は、高いコストパフォーマンスを誇ります。もちろん、上級クラスのカノニコ生地でスーツを作る場合はある程度の出費は覚悟しなければなりません。しかし、その生地のクオリティを考えると、非常にリーズナブルな価格だといえます。ほかの高級生地と比較すると、カノニコには比較的手に入れやすい値段設定の製品もあります。このあたりのクラスの生地を選べば、比較的安価にスーツを仕立てることが可能です。
発色の美しさ
品質のよいウールで作られるカノニコの繊維は、発色の美しさで知られています。生地のカラーバリエーションの豊富なカノニコは、どんな色でも、どんな柄でも、このきれいな発色が、着る者を魅了します。特にネイビーの発色に引かれる人は多いようです。メンズだけではなく、レディースアパレルにもカノニコの生地は合っているでしょう。
ソフトな肌触り
高品質のウールにより作られるカノニコの生地は、そのソフトな肌触りも魅力のひとつです。低品質のウールだと、何か肌触りがごわついてしまうものも多いのですが、カノニコの生地ではこのようなことはありません。
軽さがやさしい着心地
カノニコの生地は、ソフトな肌触りであると同時に、着用すると軽さを感じます。「ウールは重い」という先入観をお持ちの方もいらっしゃいますが、カノニコの生地はそんなことはありません。特に夏物は、通気性に優れているので、真夏でもスーツを着用しなければならない方には重宝します。もちろん冬物にも軽さがありますが、こちらにはしっかり保温性が備わっています。
カノニコのコレクション
350年以上の歴史を誇るカノニコ。カノニコの生地にはさまざまなバリエーションがあります。ここからは、カノニコのコレクションの中から、一部をご紹介します。
ペレニアル110's(Perenial110's)
カノニコのコレクションの中で、もっともよく知られているのがこちらの「ペレニアル」です。シワになりにくく、耐久性に優れているので、毎日スーツを着用する人にとっては、とても重宝します。美しいシルエットと、生地のなめらかな風合いもポイントです。
プリュネルツイル(Prunelle Twill)
「プリュネルツイル」は、カノニコ特有の光沢感に加え、シワになりにくさも持つ、春夏向けのツイルです。着られるシーズンが長いため、初めてカノニコを購入したいと考えている方にもおすすめです。数多くのカラーやデザインのバリエーションがそろっていますが、トレンドを意識したストライプなども盛り込まれているので、注目度の高いコレクションだといえるでしょう。
トロピカル(Tropical)
その名が表すとおり、夏の定番生地となっている「トロピカル」は、湿度が高い日本の夏にもさらりと着られる、肌触りのしなやかさと着心地のよさが魅力のコレクションです。極細のウール繊維を使い、高い通気性を備えています。夏に合う明るいブルー系のほか、ダークよりのカラーもラインアップされています。
フランネル120(Flannel120)
フランネル素材とはウールを起毛加工させた、柔らかくて暖かな毛織物のことです。フランネル独特の、見た目の鮮やかさ、ふんわりとした触り心地が特徴です。着心地の良さはもちろん、秋冬らしい季節感が馴染む仕上がりになります。カノニコのフランネルはスーパー120の糸を目付270gで仕上げたライトウェイト素材。カノニコの秋冬の定番です。軽量なのでフランネルの柔らかく暖かい雰囲気を長い期間お楽しみいただけます。
モヘアツイル(Mohair Twill)
「モヘアツイル」は、春夏を中心に、オールシーズン着用可能な人気の生地です。双糸(そうし)を経糸に、モヘアの混紡糸を緯糸に使い、さらにこれらを綾織りで織ることで、生地に張りと光沢を与えています。この光沢には独特の高級感があり、多くの人々の目を引きつけています。トレンドの意識されたカラーやデザインのバリエーションも豊富です。
モヘアクアトロ(Mohair Quattro)
「モヘアクアトロ」は、その名(クアトロ=4)が表すとおり、モヘアが4分の1含まれた、春夏を中心に、長い期間着られるコレクションです。カノニコ特有の光沢と、丈夫な作りが特徴で、スーツを毎日のように着用するビジネスマンに高い人気を誇ります。
リベンジ150’s(Revenge 150’s)
16ミクロンという、とても繊細な原糸を使用して作られた生地です。これはカシミアに匹敵するほどの糸を原料にしております。カノニコのコレクションの中でも、最高級レベルの生地は、カノニコが持つ光沢感をさらに上回る光沢感で人々を魅了します。肌触り、着心地、そして上品さを隠しきれないその雰囲気は、ビジネスシーンだけではなく、パーティーシーンにもぴったりです。
スーパービオ21u(Super Bio21u)
近年カノニコは21マイクロンウールなど太い原毛を使った生地の展開に力を入れていて、その主力の一つがスーパービオになります。360gという肉厚のボディーの為シワになりにくく、復元力にも優れています。スーツの着用頻度が多い方や、出張が多いビジネストマンの方におすすめです。また太い糸で織られているため折り目がはっきりとしていて生地の素材感が豊かです。そして落ち感が強く仕立て映えのする生地なのでクラシックなスーツスタイルがお好きな方には非常に魅力を感じるシリーズとなっております。
6プライ(6PLY)
6PLYとは6本の細い糸で撚って(よって)作られた糸を使い、織られている布生地をいいます。6本の糸で平織された生地の為非常に厚みがあり丈夫でシワになりにくく、張り感があり仕立て映えします。ウエイトは510g/m。これはスーパービオ以上のヘビーウェイトで着た時も包まれるような重厚感があります。今は姿を消してしまったかつての古き良き1930年代の多くの映画に出てくるスーツを再現するかの如く、強靭な強撚糸から作られる生地は男性らしい硬派な演出にもピッタリな素材です。
スーパーソニック(SUPER SONIC)
SUPER SONICはSUPER SONIC(超音波)の如く飛び回るビジネストラベラーを想定し、シワになりにくい弾力のある生地となっています。またニットのようにざっくりとした表情をもった素材なので出張先のホテルでTシャツなどの上に羽織っても違和感なく合わせられます。肩パットも芯地も使わないアンコン仕立てと相性が良いのでJモデルのお仕立てがおすすめです。WATER REPELLNET(ウォーター・リペレント)というのは、撥水性を意味しています。コートのように防水とまではいきませんが小雨程度の雨なら弾いてくれる機能性ファブリックになります。
カバート21u(COVERT21u)
COVERT(カバート)とは狩猟の時にハンティングジャケットの上に着るカバートコートに使用される素材で重量感あふれる”強い生地”です。昨今の英国トレンドに丁度良いハリコシを持ち、急角度の綾が特徴の生地です。カノニコのカバートは目付440mgsでコート用としては少し軽めでスーツ、ジャケット、パンツとして使いやすい設定となっております。アウトドアでの使用を想定した生地なので良い意味で武骨な質感が楽しめます。
発色で選ぶなら
ここからは、発色という観点でおすすめのカノニコの生地を選んでみたいと思います。イタリアの生地ブランドの生地は、そのツヤ感や肌触りに独特のよさを持っていますが、中でもカノニコの生地はネイビーの発色が素晴らしいといわれています。このネイビーだけでも、キャラクターがあるので、濃淡を考えるだけでも、自分らしさを演出できます。
春夏
春夏向けの素材では、トロピカルやモヘアを使用した生地が人気です。中でも「トロピカルクロス」は、ジメジメとした日本の夏でも、乾いた快適な着心地を実現してくれる、優れた通気性が備わっている生地です。最近はクールビズが定着してきましたが、このトロピカルクロスならクールビズにぴったりです。
モヘアが含まれた生地は、コシがあり、ウールとはまたひと味違った光沢が魅力的です。この光沢感は、暖かい季節の陽光をさわやかに反射するため、何か涼しげな印象を見る人に与えます。春夏向けの生地は、長い期間着用可能ですが、さらにシルクなどが混ぜられた生地を選ぶと、ビジネスの場だけではなく、パーティーシーンにも着られます。
秋冬
秋冬向けの定番生地であるフランネルは、カノニコらしい特徴をしっかり備えているためとても人気です。高級さを感じさせるツヤ、あざやかな発色は、ダーク系のカラーが多い秋冬物の生地であっても健在です。なめらかな着心地を持つフランネルの生地は、着る者を温かく包み込んでくれます。
春夏スーツ
カノニコの生地で春夏向けのスーツを作るなら、やはり定番のペレニアルがおすすめです。ペレニアルは着られる期間が長いことに加え、光沢、発色、生地の厚さなどの点でとてもバランスが取れているため、最初の1枚としても適しているでしょう。グレーやブルーでも、少し明るめのカラーをチョイスして、ホワイトのシャツ、ブルーやホワイトを含むタイを合わせてみるといいでしょう。
秋冬スーツ
カノニコの生地で秋冬向けのスーツを作るなら、フランネルが一押しです。寒い季節の定番はこのフランネル。起毛があり、着心地とは裏腹の重みを感じられるデザインであることがポイントです。スーツは、ダーク系のカラーがおすすめですが、単色だけではなく、チェックなどの柄が入ったデザインも積極的に選んでみましょう。
スリーピーススーツ
秋冬向けのスーツなら、ぜひスリーピーススーツを選んでみてください。スリーピースは、ジャケットとパンツのほかに、ベストがセットになります。ベストはあまり着ないという方もいらっしゃるかもしれませんが、ジャケットを脱いでもかっちりした印象になるので、特にビジネスマンにはおすすめです。コートや手袋がなくても、比較的温かいという利点もあります。
カノニコをオーダーする
カノニコに限ったことではありませんが、スーツをオーダーする場合は、主に「フルオーダー」「イージーオーダー」「パターンオーダー」という3つの方法があります。
オーダーの種類
フルオーダーは、かんたんにいうと、体型に合わせて、スーツを完璧に仕上げてくれるものだと考えていいでしょう。たとえば同じ肩幅でも、人により肩も首も形状は異なるので、肩幅を測るだけでぴったりフィットするジャケットを作ることはできません。フルオーダーでスーツやジャケットを作る場合は、体の細かい部位まで測定すると、オーダーした方の体型にぴったりフィットする服を作れます。これを「体型補正」と呼びます。フルオーダーの場合はさらに、アイロンを使った「クセ取り」も可能です。
イージーオーダーは、体型補正に少し制限がありますが、フルオーダーに次いでぴったりフィットする服が作れるオーダー方法です。クセ取りには対応していません。
パターンオーダーは、自動裁断機を使って型紙を切り出します。サイズを微妙に調整することも可能ですが、調整範囲はショップや工場により異なります。
こうして見ると、フルオーダーがベストのようにも思えますが、一概にそうではありません。職人さんの腕も影響しますし、高級な生地を使い、ベストな縫製を行えば、パターンオーダーでもイージーオーダーでも素晴らしいスーツが作れます。どの形でオーダーするにしても、何をどこまでできるのか知っておくことは、お気に入りのスーツを手に入れるために大切なことです。
スーツを作るときの注意点
スーツをオーダーする際に注意すべき点についてまとめてみました。せっかくのカノニコの生地。生地がよくてもテイラーがよくないのでは、満足のいくスーツを手に入れることは不可能です。
信頼できるテイラー
信頼できて腕の立つテイラーが身近にあればよいのですが、スーツをオーダーすること自体が初めての場合は、どうしたらよいのかわからないと思います。完璧なスーツを望むのであれば、経験豊富で、しかも顧客のニーズをくみとる能力と提案力を持つテイラーを探す必要があります。オーダーするスーツを着用する目的、デザインや着心地の好み、予算を考慮して、的確な提案ができるテイラーが信頼できるテイラーです。
とはいえ、本格的なスーツを初めてオーダーするという方にとって、このようなテイラーさんを探すことは、一筋縄ではいきません。
そこでおすすめしたいのが、インターネットでオーダーを受け付けてくれる「オンラインテイラー」です。
「アステッドコーキン」は、インターネット専業のオーダースーツ&ジャケットの専門店です。カノニコのほか、さまざまな高級生地を選んで、スーツをオーダーできます。スーツに限らず、オンラインアパレルでは、サイズ感やカラーを画面から把握することが課題でした。しかし、アステッドコーキンの場合は、サンプルスーツの貸し出しなど、いくつかの採寸方法が準備されているので、フィットするスーツを作ることが可能です。用意されているスタイルの中から、好みに合わせてカスタマイズ。操作はスマートフォンでもかんたんに行えます。
アステッドコーキンのスーツの縫製は、日本国内にある縫製工場で行われています。カノニコのような高品質の生地を使っても、縫製の質がよくなければ、満足できるスーツは作れません。初めてのカノニコも、アステッドコーキンなら安心です。
サイズ感
スーツを作るうえで、サイズ感は非常に重要な要素になります。ぴったりフィットするスーツを作る場合は、普段、着用しているスーツを着てテイラーに行くとよいのですが、インターネット専業のテイラーでは不可能…実は可能なのです。アステッドコーキンでは、このサイズ感の問題を克服するために、「お気に入りのスーツを送る」という採寸方法を用意しています。お気に入りのスーツを、アステッドコーキンのスタッフが採寸して、これを基にスーツを仕上げる方法です。これはまさに、熟練のテイラーにスーツを着ていき採寸してもらう方法に、限りなく近い採寸方法です。
流行
流行を取り入れることも、スーツを作るうえでは重要です。ただし、あまりにも流行に偏りすぎると、長く着られなくなってしまうので、基本はサイズをしっかり合わせて、全体的なシルエットにトレンドを取り入れるという感じがいいでしょう。年齢を重ねて太ることを考え、ゆったり気味に作る方もいらっしゃると思いますが、避けたほうが無難です。
予算
「予算の上限なし」などという方はなかなかいないと思いますが、おそらく、スーツをオーダーする際に、まっさきに考えるのは予算のこと…という方は多いと思います。
予算をしっかり意識してオーダーすることはとても重要です。予算を伝えず、ショップの言われるままにオーダーしてしまっては予算をかんたんにオーバーしてしまいます。特にオプションは取り消せないことがあるので注意が必要です。スーツのオーダーでは、スーツに合わせる小物なども併せてオーダーすることが多いので、これらについてもしっかり予算に含めておきましょう。
ディテールに凝ってみるのもおもしろい
スーツをオーダーするのは楽しいことです。中でも一番楽しいのは、スーツそのもののオーダーではなく、ボタンなどの細かい部分だ、という方は少なくありません。実店舗でスーツをオーダーする際は、生地を選んでからディテールを選びますが、オンラインでもこの順番は変わりません。ディテールにはボタンのほか、裏地やポケットなどがあります。
- ボタン
ボタンは小さくても存在としてはとても大きく、スーツの見た目に影響を与えるアイテムです。ボタンを変えるだけで、ビジネス向きからパーティーシーン向けに印象をがらっと変えることも可能です。ボタンはご近所の手芸店でも手に入れられるので、お気に入りのボタンを探して自分で付け替えてもいいでしょう。
存在感の大きいボタンは、シーンを考えて選ぶことが大切です。ビジネスシーンでは、スーツのカラーと少しずらしたカラーにするのがポイント。スーツがネイビーならボタンは黒といった具合です。
商談やエグゼクティブが同席する機会では、少しフォーマルな、ツヤのある水牛ボタンがおすすめです。反対にこのような機会が少ないのであれば、少しおしゃれを意識してボタンを選んでもいいでしょう。
オフで着用するスーツには、プラスチックやナットボタンなど、さまざまなボタンを合わせられます。オーソドックスなネイビー系のスーツには、茶系のボタンがよく合います。夏用なら、ビーチを意識したシェルボタン、冬用の厚みのある生地なら、それに負けない厚みのあるボタンがおすすめです。
- 裏地
裏地は、普段は他人の目に触れることはありません。しかし、ジャケットを脱ぐ際にチラ見せする「喜び」があるので、凝りたいディテールなのです。
裏地については、もちろん好みで選んでいいのですが、あまりにもカラーが異なると、チラ見せとはいえ、他人に与えるインパクトが大きくなりすぎてしまいます。裏地のカラーは、表地のカラーから少しずらす程度にするのがおすすめです。ただし、スリーピースでオーダーする際は、裏地は慎重に選ぶ必要があります。ベストの背中には、裏地と同じ生地が使われるため、冒険しすぎると、やはり他人に与えるインパクトが大きくなりすぎてしまいます。
- ポケット
ポケットもスーツの印象を左右するディテールのひとつです。一般的なフタ付きの「フラップポケット」、フラップポケットの上に付ける、小銭などを一時的に入れるための「チェンジポケット」、フタなしの「ノーフラップポケット」など、さまざまなポケットがあります。ポケットは機能性とともに、視覚効果を考えて選ぶのがおすすめです。たとえばチェンジポケットを付けると、ウエストが少し高い位置に見えるので、脚が長く見えます。
カノニコの生地でオーダースーツを作るならアステッドコーキン
イタリアの高級ファブリックブランド「カノニコ」について、その魅力を中心にご紹介してきました。数多くのラグジュアリーブランドも採用しているカノニコの生地は、その品質を考えると、優れたコストパフォーマンスを備えています。アステッドコーキンなら、インターネット上で、この素晴らしい生地を使ったスーツをオーダー可能です。これまで、ネット専業のアパレルでは、サイズ感やカラーを把握することが困難でしたが、アステッドコーキンでは、サンプルスーツの送付や、お客様のお気に入りスーツを実際に採寸することで、ぴったりフィットするスーツの製作を可能にしました。カノニコでスーツを仕立てるなら、アステッドコーキンにおまかせください。